撮像素子の大きによる違い

撮像素子による違い

デジタルカメラにはすべて撮像素子という光を感知する「センサー」が付いています。フィルムカメラのフィルムに当たるのが、この撮像素子で、デジタルカメラの中で画像を左右するとても大切な部分です。

撮像素子が大きいほどボケを利用しやすい

一眼レフカメラの特徴としてボケを利用した遠近感や立体感が楽しめる点がありますが、これも撮像素子の大きさと関係しています。

撮像素子が小さいと、極端な話ピンホールカメラの様に光が絞られるのでF値の自由度が聞きません。コンパクトカメラやスマホがボカシが利かないのはこのためです。

同じ理由で、より大きな撮像素子を搭載した一眼レフカメラの方がボカシが利ききます。ですが、ボカシをいれれば綺麗な写真が取れるというものでもありませんし、入門用の一眼レフに搭載されているAPS-Cサイズでも十分にボケを楽しむことができます。

撮像素子と画素数の関係

デジタルカメラの画質＝画素数であるかのようなCMをよく見かけますが実は画質は画素数だけで決まっているわけではありません。もちろん、画素数が多ければ高精細な写真になり、トリミングしてもブロックノイズが目立たなくなりますから加工の自由度も広がるでしょう。

今では、コンパクトカメラでさえ1000万画素クラスが当たり前になり、一眼レフカメラも、1000万画素以下の製品はほとんど見当たりません。

Nikonの高級機D3Xになると、その画素数はなんと2450万画素！さすが一眼レフと思いきや、D3sは1200万画素。これではコンパクトカメラと変わりません。

画素数が同じなので、写真画質がコンパクトカメラと一緒なのでしょうか？
いえいえ、そんなはずはありません。それどころか全然違います。
では、いったい何が違うのか？　ずばり感度（ISO）が全然違うのです。単に高感度と言うだけでなく、D3sの方が圧倒的にノイの少ない写真が撮れます。

この理由は、撮像素子の大きさにあります。例に挙げたD3sの撮像素子の大きさは、36mm×23.9mm。
一方同じ画素数のコンパクトカメラS8100は1/2.3型これは6.2mm×4.6mmに相当し、面積でD3sの30分の１ほどなのです。

撮像素子の大きさは光を受ける量と比例するので、当然大きい方が感度が上がるという訳です。
また、小さい撮像素子を「高画素化」する事は、どうしても無理がでて、一つひとつの受光素子の製造プロセスにバラツキが出てしまい、これがノイズの大きな原因となるのです。

撮像素子のサイズとノイズの比較

実際にどの程度画質に差が出るのか見てみましょう。下の写真は一眼レフカメラとコンパクトカメラで同じ条件にて撮影しました。
コンパクトカメラの画素数は800万画素で一眼レフの方は1200万画素と差があるので、一眼レフカメラの画素数を同条件になる様、Mサイズで撮影し、ISO感度はどちらもISO800に統一してオート撮影しています。
どちらの写真もWEB用にサイズを落としているので見た目、同等程度に見えます。
では、少し拡大してみましょう。

一眼レフカメラD90で撮影した写真

コンパクトカメラIXY　800ISで撮影した写真

一眼レフとコンパクトカメラで撮影した写真の同じ部分を400×400ピクセルでトリミングしました。
こちらは一目瞭然ですね！もう一度言いますが、どちらも同画素数、同ISO感度で撮影しています。
これを見れば、画素数＝画質と言う単純なことではないと分かってもらえると思います。

一眼レフカメラD90で撮影した写真

コンパクトカメラIXY　800ISで撮影した写真

撮像素子の大きさ比較

搭載機種	撮像素子のサイズ比較	説明
Nikon　D3x など	フルサイズ約 36mm×24mm	35mmフィルムとほぼ同サイズの為フルサイズとも呼ばれている。レンズの焦点距離はこのサイズを基準にして計算している。センサーが大きく、生産量が少ないため、主に高級機に搭載されている。
Canon EOS-1D MarkⅣ	APS-H 約 28mm×19mm	APS-Hサイズとほぼ同等サイズの為呼ばれており、フルサイズより一回り小さい。 APS-Cサイズより、画質面で有利になり、価格もフルサイズ程ではないメリットがある。反面、このサイズに合わせたレンズは無いので、35mmフィルム用を使う。見かけの画角は1.3倍になるので注意が必要。
Nikon D90など	APS-C 約 23.6mm×16mm	APS-Cサイズは一眼レフ中級機に取り入れられているサイズで、現在もっとも普及している。 35mm用レンズを使うと画角が約1.5倍となってしまう。APS-Cサイズ用の専用レンズもラインナップされている。
DMC-L10など	フォーサーズ約 17mm×13mm	オリンパスとコダックによって規格化されたサイズで、オープン規格となっている。オリンパスのほかパナソニックも採用している。
PowerShot S95	1/1.7型約 7.6mm×5.7mm	コンパクトカメラの中で、大型の撮像素子がこのサイズ。撮像素子が大きくなると、カメラ本体も大型化するため、現在はあまり使われていない。
DMC-TZ20-K	1/2.33型約 6.2mm×4.6mm	コンパクトカメラにもっとも普及しているサイズ。このサイズの撮像素子に1500万画素の解像度を持たせた製品もある。フルサイズ機の30分の1の大きさしかない。