一眼レフカメラのスペックの見方

一眼レフカメラ選び方として、シャッタースピード、ISO感度、撮像素子、画素数といった代表的なスペックの見方から、初心者がどこを重視して一眼レフカメラを選べばよいのか紹介します。

シャッタースピード

シャッタースピードは、カメラのシャッターが開放され、光が入る時間の事です。
カメラのスペックには、1/4000~30秒と言う様に記載されます。
1/4000とは、4千分の1秒の事で、この場合、1/4000から30秒の領域でシャッタースピードを自由に変更できるという意味になります。

当然、シャッタースピードの領域が広い機種ほど、撮影の自由度が上がりますが、シャッタースピードが速くなればなるほど、入り込む光の量が少なくなります。
1/4000など、極端にシャッタースピードを速くすると屋外でも光量不足になる事があります。また、シャッタースピードが遅くなると手ぶれや被写体ブレが起きるので、三脚を用いないと鮮明な写真は撮影できなくなります。

被写体ブレはスピード感を出すため、表現の一つとして取り入れることはあります。

ビジネスマンのスピード感を表現した写真。あえて被写体ブレを取り入れた作品の例です。

シャッタースピードが速いと被写体のブレはなくなりますが、動きが止まって見えます。

ISO感度

ISO感度とは、簡単に言うと光を感知する感度を表したものです。
製品スペックにはISO100~ISO3200と言うように記載されていて、100から3200までの範囲内で自由に感度調節できると言う事を表しています。
感度は数値が大きくなればなるほど敏感になり、少ない光でも撮影できるようになります。
ただし、ISO感度を上げると、デジタルノイズと言う、デジタルカメラ特有のノイズが現れてしまいます。
実際に写真を撮影する時は、最もノイズの少ないISO200前後を基準にして撮影し、屋内等の光量が少ない場所で撮影する時は状況に応じてISO感度を上げて撮影します。

↓デジタルノイズの例(ISO3200)※拡大しています

↓ISO200で同じように撮影したもの※拡大しています

ノイズの発生は使っているセンサーの性能や映像処理チップの性能に影響するので、入門機よりも高級機種の方が低ノイズになります。
また、同じ入門クラスの一眼レフを比べた場合、一方はISO感度3200で、もう一方はISO6400と感度に差があっても、実用領域での画質は差がありません。
当然ISO6400の方が高感度撮影出来ますが、その分ノイズの量も多くなります。
ノイズの少ない写真を撮影するには、高感度モデルを選ぶよりISO感度を800以内に抑え、シャッタースピードや絞りで調整します。

撮像素子

撮像素子とは、フィルムのデジタル版のような物で、光をデジタル信号に変換するカメラの心臓部です。
一眼レフカメラの撮像素子は、コンパクトカメラと比べ10倍以上あり、一眼レフカメラとコンパクトカメラの画質の違いの一つの理由になっています。
理由は、撮像素子が大きいと、センサーもそれだけ大きくなり、多くの光を取り入れる事が出来るようになるからです。光の量が多ければ、それだけISO感度を低く設定できるのでデジタルノイズの発生を抑えられると言うわけです。
また、撮像素子が大きいと、ぼかし効果が得られやすくなるので、表現の自由度が広がります。

さらに、同じ一眼レフカメラでも、入門機種と高級機では撮像素子の大きさが違います。
ハイエンドクラスの一眼レフカメラにはフルサイズの撮像素子が使われていますが、中級機や入門機には一回り小さいAPS-Cタイプや、APS-Hタイプの撮像素子が使われています。
ミラーレス一眼の場合さらに小さいフォーサーズタイプが使われています。

撮像素子の大きさの比較

フルサイズ(高級機のデジタル一眼レフ)

36mm×24mm
APS-H(中級機のデジタル一眼レフ)

28mm×19mm
APS-C(入門機~中級機のデジタル一眼レフ)

23.6mm×16mm
フォーサーズ(ミラーレス一眼)

17mm×13mm
1/2.33型(コンパクトカメラ)

6.2mm×4.6mm

画素数

画素数とは、光を感知してデジタル信号に変えるセンサーの数の事です。
この画素数が多くなればなるほど細密な写真になり、大きく引き伸ばしたり、写真の一部を切り抜きした場合でも画質の乱れが少なくなります。

ただし、撮像素子の大きさは変わらないわけですから、画素数が多くなればなるほど、センサーの大きさが小さくなり、一眼レフカメラの利点を生かし切れていない製品も見られます。
例えばNikonのD7000はAPS-Cサイズの撮像素子に1620万画素を詰め込んでいます。
一方NikonのD700はフルサイズの撮像素子に1210万画素しかありません。
当然フルサイズの撮像素子で1210万画素のD700の方がノイズの出にくい製品である事は想像できます。