一眼レフとコンパクトカメラ、どちらもカメラには違いありませんが、やっぱり一眼レフカメラで撮影した写真は画質が全然違います。
コンパクトカメラはどちらかというと旅先で気軽にスナップ写真を撮影するのが目的。できるだけコンパクトで軽量に作られています。
一方、一眼レフカメラはサイズは度外視!写真を撮る事を重視しているので、大きなレンズと合わせると2kg超えることも・・・。ポケットに入れて持ち歩くことはできませんが、画質の美しさだけでなく、自由度の高い写真を撮ることが出来ます。
ここでは、なぜ一眼レフカメラが自由度が高く、綺麗な写真が撮れるのか?違いを説明します。
- 構造の違い
- レンズの交換
- 撮像素子の大きさ
- ボケを利用した立体感
構造の違い
一眼レフとコンパクトカメラの構造上の違いを簡単に説明します。構造の違が画質に大きく影響しているのですが、模式図を使いながら、カメラの構造の違いを見ていきましょう。
コンパクトカメラの構造
コンパクトカメラはレンズから入ってくる光を撮像素子で電気信号に変換し、画像解析回路で信号を処理して液晶画面に映し出します。撮像素子とは、光を感じ取るセンサーのようなもので、フィルムの役割をします。
電気信号を常に画像解析回路で処理しているので、電池の消費量が一眼レフカメラより多くなってしまします。
さらに、撮像素子で光を感知し、液晶ディスプレイに移し出すまでに”処理時間”が掛ります。(0.1秒程度ですが)
一眼レフカメラの構造
一眼レフカメラの構造は、レンズから入ってくる光は、上の画像の様に、ミラーやプリズムを使ってファインダーまで届きます。
撮影の瞬間、ミラーが上に跳ね上がり、光が撮像素子に届きます。ミラーが跳ね上がる時間はシャッタースピードとほぼ同じで、一瞬です。ミラーが跳ね上がっている状態ではファインダーには何も映りません。(下図参照)
交換できるレンズ
一眼レフカメラは用途に応じてレンズを交換できます。
この点が一眼レフカメラとコンパクトカメラの決定的な違いです。交換できるレンズは、望遠レンズ、広角レンズ、マクロレンズなど様々で、用途に応じて交換します。
レンズにはそれぞれ得意分野があり、適切なレンズを選ぶ事で同じ被写体でも撮れる写真が全く異なります。この点はコンパクトカメラでは味わえない、一眼レフカメラの醍醐味と言えます。
また、レンズは同一メーカーのものなら、本体を交換しても同じレンズを使う事が出来ます。
(マウント形状が同一の場合)
ですから、レンズは一度購入すれば一生モノです。
撮像素子の大きさ
撮像素子とは、光を電気信号に変換する大切な部分。フィルムカメラで言うとフィルムに当たる大切な部分です。
実はこの撮像素子はカメラによって大きさが違い、撮像素子が大きければ大きいほどノイズの少ないクリアな画像が撮影できます。
下の図は一般的なセンサーのサイズを比較したものです。
35mmフィルムサイズ(36mm×24mm)
・・・名前の通り、フィルムと同じサイズの撮像素子です。別名フルサイズとも呼ばれ、プロや、セミプロが使用する高級機に採用されている大きさです。当然画質は最も高く、値段も高価です。
APS-Cサイズ(24mm×16mm)
・・・このサイズは、一眼レフカメラのエントリーモデルに多く採用されている大きさです。35mmよりは小さいのですが、価格を安くする事ができ、画質も大きく損なわれないサイズとして、一眼レフカメラの中では一番普及しています。
(APS-Cサイズはメーカーや機種によって若干サイズが異なります。)
1/2.5″サイズ (5.76mm×4.29mm)
・・・コンパクトカメラで採用されている撮像素子の大きさはバラバラですが、大きい物でこのサイズです。 APS-Cサイズと比べても極端に小さい事が分かります。
撮像素子が小さいとなぜ画質が悪くなるの?
・・・同じ画素数のデジカメの場合、1画素の大きさは撮像素子の大きさに比例します。製造技術が同じなら、1画素当たりの大きさが大きいほど正確に作れます。
また、撮像素子に被写体を投影する際、この面積が小さくなるほど、レンズの小さな歪みが大きな影響を及ぼし、1画素当たりの面積が大きいほど、多くの光を取り入れることができるので、高感度のデジカメが作れます。
(例えるなら、米粒の上に文字を書くより、大きな半紙に文字を書く方が、正確で綺麗に書ける事と一緒です。)
ボケを利用した立体感
被写体に焦点をあて、背景などをぼかす撮影技術があります。
ボケを利用する事で、立体感を出したり、被写体を引き立たせる効果があります。このボケはコンパクトカメラで再現できません。ボケを作るには、”絞り”の量をコントロールすると出来ます。絞りはコンパクトカメラにもついていますが、自由に調節できなかったり、調節の幅が一眼レフカメラより小さくなっています。
単にぼかし易いだけでなく、ボケが不要な時は絞りを調節してボケの少ない写真も撮る事ができます。